『個人的女性アイドルグループ楽曲大賞2018』

 

今年も残すところあとわずかとなりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

この時期になるとやりたくなるんですよね。

というわけで『個人的女性アイドルグループ楽曲大賞2018』をこれから発表していきます。

 

メジャー/インディーズを問わず、一年間を通して印象的だった楽曲を選びました。

各楽曲にコメントも記載しております。全て素人の個人的で稚拙な感想文でしかないですが、読んでもらえたら嬉しいです。

 

では早速、語り散らかしてゆきます。

 

【楽曲名 / アーティスト名】

 

20. Ray / PassCode
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ラウド・ロックは苦手で普段はほとんど聴かないんですけどこれは響くものがありました。

陳腐な表現になってしまいますが、「カッコいい」この一言に尽きます。

 

 

19. スノウメモリー / 26時のマスカレイド
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正直なところ、メロディーも歌詞も安っぽいバラードという印象です。しかし、何番煎じか分からないような正統派アイドルの楽曲なんて安っぽくて良いと思うんですよね。僕はそこに可愛いらしさや面白さなどが生まれると思っていて、それはアイドルにしかできない表現でもあるんですよ。それでもってこのバラードは、そのアイドルにしかできない安っぽさを計算して、含ませて作られていると感じるわけです。

 

ちなみに26時のマスカレイドだと僕は江嶋綾恵梨さんが好きです(そうですか)

 

 

18. 帰り道は遠回りしたくなる / 乃木坂46
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一瞬、ありきたりなメロディーを思わせるのですが、それをひらりと巧みにかわしています。素晴らしい。

しかし、展開が惜しいと感じました。というのも、こういう早口でたたみかけるようなサビというのは、きちんと3回出すのではなくて、サビに行くまでに2回AとBを繰り返してラストだけにサビを持ってくる、みたいな展開の方がグッと来ると思ったんですよね(多分伝わらない)

 

ちなみに乃木坂46だと僕は伊藤万理華さんが好きです…って伊藤万理華さんはもう…

 

 

17. ノスタルジア / Negicco
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ピアノとバックのストリングスの演奏が心地よいです。これにどこかトロピカルでノスタルジックな気分をかき立てるスティールパンの音が加わって、もっと心地よくなります。詩についても情景描写がしっかりしていて、美しい歌詞になっていると思いました。

 

 

16. スタンドアロン・コンプレックス / わーすた
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知る人ぞ知るボーカロイド業界のヒットメイカー、みきと氏が手がけた楽曲。

 

この曲は10代特有の苦悩と葛藤の心理描写が素晴らしいです。

 

この業界には天才と呼べるような人達が何人もいて、ホント恐ろしいモンですよ。今年は米津玄師の勢いが凄まじかったですよね。

苦い檸檬の匂い、あなたフラミンゴ。

 

 

15. 明日の空を見上げるために / ラストアイドルファミリー
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ありきたりな物言いになりますが、前向きな気持ちにさせてくれます。

それから合唱曲のように感じる部分がいくつかあって、中学校時代の文化祭や卒業式を思い出すというか、懐かしい気持ちにもさせてくれるんですよね。齢十四、五の少女らが体育館の舞台で一生懸命に声を震わせている姿が頭の中に浮かんできます。

 

 

14. 自由へ道連れ / 私立恵比寿中学
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最初にこのアルバムのアーティスト一覧を見たときは、「アイドルが椎名林檎の曲なんて…」と、かなり否定的だったのですが、いざ聴いてみると一瞬で心を掴まれました。ドラムパターンに変化させることで原曲の持つキャッチーさをより鮮明にさせているところが良いです。あと、「道連れしちゃうぞ」ってフレーズがかわいいです。

 

 

13. 約束の卵 / けやき坂46
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「誰かを応援するって良いよな…」そんな風に思わせてくれます。

 

この楽曲は角野寿和氏が手がけているのですが、彼はいつも内に響くメロディーを我々に提供してくれますね。

僕のアイドルソングプレイリストに最上位の席を与えられているのは、角野寿和氏と杉山勝彦氏の楽曲だけです。他とは隔絶した孤峰と呼ぶべき偉大な二人の作曲家が残した音の精華がそこにあって、心が渇いた時、泉に口をつけるように僕は彼らの楽曲を繰り返し聴いて、勇気をふるいおこしてきました。

 

ちなみにけやき坂46だと僕は影山優佳さんが好きですね。握手会で聾唖の方に対し、手話法を用いて対話を試みたという話にいたく感銘を受けたからです。

 

 

12. センチメンタルトレイン / AKB48
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歌詞については全体的に月並みな印象でしたが、メロディーが恐ろしいくらい秀逸だと思いました。STU48の大阪のチャリティーコンサートで初めてこの曲を聴いたんですけど、その時の衝撃は忘れられないです。この曲には聴き手をイントロだけで引き込む強い力があるのではないかと思わせられます。姫野博行氏の才能に脱帽。

 

ちなみに姫野氏は欅坂46の派生ユニットである“五人囃子”の楽曲「結局、じゃあねしか言えない」の作曲も手がけているのですが、これもまた素晴らしい作品になっているので気になった方は是非聴いてみてください。

 

 

11. Soft Serve / NGT48
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現代の女の子の趣向が歌詞に反映された鮮度のある楽曲です。

 

「 ソフトクリーム食べなくなった あんな好きだったのに 糖質制限なんかしてない なぜ何だろう 」

 

ちなみにNGT48だと高倉萌香さんが好きですね…高校時代好きだった女の子に雰囲気が似てr(誰も興味なし)

 

 

10. summer snow / 鶯籠
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洗練されたシンプルなギターロックです。耳障りだと感じるような音が一切入っていなくてずっと聴いていたくなります。ただただ心地良い。曇り空の夏の日の風景が頭の中に浮かんできます。

 

 

9. 蜃気楼の国 / sora tob sakana
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ポストロックとアイドルという、僕からしたら大好物の組み合わせみたいな音楽です。聴いたことのない音ばかりでどんどん引き込まれていって、聴き終わる頃にはもう次が欲しくなっています。

 

余談ですが、このグループの楽曲は「ハイスイノナサ」で活動していた照井順政氏が手がけています。

ハイスイノナサ」はかつて残響レコードというインディーズレーベルに所属していました。僕はこのレーベルを日本のポストロック・オルタナティヴロックの最高峰だと思っています。気になった方はチェックしてみてください。

 

 

8. プラスチックガール / 夢みるアドレセンス
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ねごとのボーカル・キーボード担当、蒼山幸子氏が手がけた楽曲。

エレクトロニックなメロディーにあえて重たい歌詞を乗せているところにグッときました。“良い違和感”とでもいいましょうか、そんな感じです。

 

ねごと、解散しちゃいますね。非常に悲しいです。チャットモンチーもいなくなって、ガールズバンド界隈はちょっと寂しくなりますよ。彼女らは間違いなく10年経っても聴き継がれる音楽を生み出していたと思います。

 

 

7. おかえりさよなら / Maison book girl
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メロディーに変拍子が多用されていて、音色自体がアイドルポップスとしてはかなり異色の耳触りを持っているのですが、逆にそれが不思議で魅惑的な世界観を作り上げています。 

歌詞について、どうしようもない生命のあがきが伝わってくるような歌詞で、聴き終わった後はとてつもない虚しさに包まれるんですけど、それがどうしてか、全く嫌な感じがせず、心に染み渡る一定の気持ちよさがあります。

 

 

6. 行方 / HAMIDASYSTEM
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歌詞の底に沈んでいる生々しい感情が、目を伏せたくなるほど自分のそれに似ているような気がしてならなくて、ずっと頭の中に残り続けている曲です。

 

 

5. 夢 - Japanese Notation / Maison book girl
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再びMaison book girlの楽曲がランクイン。

 

ひねりのきいたレトリック、叙述トリックに引き込まれます。

それから、これは名状し難いのですが、聴いていると、故郷にいた頃に感じていたぼんやりとした不安や焦りとか、自分の居場所の無さとか、もっと深いところにある謎めいた疼きとか、そういったものがまとまってカムバックしてくる感覚になって涙腺を刺激されます。

気になった方はチェックしてみてください。

 

 

4. HiDE the BLUE / BiSH
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メロディーが素晴らしい。非の打ち所がないです。この曲も聴き手をイントロだけで引き込む力があるのではないかと思わせられます。

 

そして、これまでのBiSHのほとんどの楽曲の歌割りはアイナ・ジ・エンドにあてられていました。

しかしHiDE the BLUEにおいては違います。アイナの歌割りが特別に多いこともなく、6人が満遍なく歌っています。そしてそれが特段の違和感もないどころか、全く飽きを感じさせない素晴らしいものに仕上がっています。

BiSHの楽曲のひとつの新しい可能性を感じました。

 

 

3. Re:Story / ももいろクローバーZ 
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夏に聴きまくりました。甘美で浮遊感のあるメロディーとラップ調のソロ、難解さを取り払った真っ直ぐな歌詞と、過不足ない仕上がりです。

それからこの楽曲には、高原の澄んだ大気の中を渡る風のような爽やかな匂いと、澄んでいること、爽やかなことそれ自体の醸し出す一種の憂愁があります。

こういった楽曲はいくら時代が移り変わり、青春の様相が変わったとしても、いく度でも生まれ変わって出てきて、青春が持つ美しさと儚さを聴き手の心に教えてくれるのだと思います。

 

 

2. 砂糖の夜に / tipToe.
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音楽レーベル6jomaProject主宰の本間翔太がプロデュースする6人組のグループ。

メンバー全員が3年という期限付きで活動しています。限りがあると分かっているものは余計に美しく見えてしまうもので、今年はこのグループの楽曲を一番多く聴いた気がします。

 

楽曲について、素晴らしいです。究極の美しさを放っている。

特に歌詞、中学3年生が書いたとは思えません。

深夜に外へ出た先で起こる様々な場面の叙述は聴いているこちらの情動を引き起こします。

この新鮮で形而上学的なイマジネーションに充ちた詩は仏訳、英訳されていたら国際的に高く評価されるのではないか、とすら思ってしまいます。

本当に美しい。この作品は文学として成立している、と云えると思います。

 

 

1. 暗闇 / STU48
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出演アーティストに納得がいかず、惰性で観続けていた「CDTV年越しライブ2017→ 2018」が奇縁となって出会った一曲。

 

楽曲について、最高到達点。

今後、この作品を超えられるのかという命題がグループに重くのしかかるのではないかと思います。

 

グループの「胎動」を感じることができるし「瀬戸内」というイメージへの想起もしっかりと意識されていると思います。

それから、ノスタルジックな情景に取り憑かれて書き上げたような歌詞、苦悩と葛藤と憧憬が宙に浮かんで音符になったかのようなメロディー、どこを切り取っても美しいです。

一過性の楽曲ではなく、歳月を超えて聴き継がれる、そんな作品になってほしいです。

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

どれも良い曲です。是非全部聴いてもらえたらと思います。

 

今年は素晴らしい楽曲がいくつも配信されました。こんなに興奮した年は久しぶりかもしれません。それらの多くが世間的にはほとんど騒がれていないことを悔しく感じる反面、そんな些末なことを気にする必要はないのかなとも思いました。それは数十年以上に渡って聴かれる音楽を作る価値を音楽家は皆、経験として知っているからで、何十年後かに別の意味合いを持ち始めることが音楽にはあることはこれまでの歴史が物語っています。そもそも僕に関して言えばリアルタイムで世間に騒がれる音楽なんてほとんど聴いてこなかった気がします。

 

晦日は決まって「来年から新しく考えていかないといけないことが嫌というほど沸いて出てくるんだろうな、もう無理」みたいな絶望思考に陥るんですけどそれは誰にとっても同じですよね。2019年も頑張って生きていきましょう。

 

ここまでお目を通してくださり、ありがとうございます。重ね重ね、すこぶる感謝。

よいお年を。