11月記録

数日寝込む。インフルエンザ、流行っていなくてもかかるときにはかかるし流行っていてもかからないときにはかからない。普通に生活を送っている上でどうしても起きてしまう体の歪みが、ある段階まで到達した時に自然な防御反応として歪みを直そうとする状態が発熱らしい。それにしてもこんなにも辛いものだったのかとひどく落ち込んでいる。かかるのは1年振りくらいか。苦しい、とにかく苦しい。特に鼻づまりによる呼吸器の違和感のせいで全く頭が回らないから一刻も早く治したい。身体の不自由さを知って、はじめて健康の何たるかを思い知る。

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懇意にしている関係者の伝手で、あるスト師の生前の肉声を聞いた。とにかくエネルギーに満ちていて、それはある種の暴力性が漂い、人を動かすような圧倒的なエネルギーだ。同じ時代に生きていたのなら、間違いなく影響を受けていただろう。過去の自分がシコシコジメジメ生きてきた分、邪気をふき飛ばすような強烈な磁場を放つ人間になりたいとずっと思って今は生きている。実際、それに近い人種になってきたようなところがある。でも、簡単に人は変わらなくて、時折、ジメついたキモい自分が降りてくるときがある。そんなヤツに取り込まれないために、数年前に生きていた故人のエネルギーを借りて今日も生きる。

・11/9

最寄り駅で声をかけた女。電話を一度挟んだとき、アプリの重度利用者だということがわかった。通りで「あなたに何も期待していませんから」と言わんばかりのウザい、達観した態度で接してくるわけだ。会ったときにとことん詰めてやろうと思った。「クソな女って相手にバレる態度を見せたらあかんやろが」「嘘でもええからイイ女の演技ができる女はめちゃくちゃ得するで」と言ったら妙に納得してホテルまでついてきた。

・11/18

街でスト師の写真撮影をしていたときに声をかけた。身に付けている物からブランド物に対する感度が高いことは目に見えていたので、ファッション関連の会話からバンゲにつなげたことを覚えている。メッセージのやりとりが始まって以降、食い付きが異常に高く、3度、電話のタイミングが合わなかったことに対して「もう今すぐ会って話したいレベル。土曜日空いてる!」と打診された。当日は居酒屋→カラオケ→ホテルの流れで、家族に愛されて生きてきたのが分かる素敵な子だった。珍しく女にオラつかない静かな時間が流れていた。愛おしい。

11月はとくに大きなイベントはなかった。今年も終わりに向かっている。いいことも悲しいこともあったし、許せることも許せないこともあった。どんな気持ちで迎えるのだろう。コロナ禍が終わって、競争社会の速度感が再び息を吹き返してきた感覚がわずかにある。はっきり言ってダルい。停滞してるくらいの方がこっちにとってはやりやすいんだよ。12/31と1/1の間に13月という架空の国に飛ばされて、飽きるまで栄華を楽しみたい。現世に帰ってきたら数百年が経っていて、また、よくわからない贈り物をもらっていて、それを開けると老人になったり魂が抜けて昇天するみたいなオチはもちろんナシだ。そんなファンタジーな頭になっちまうくらいに世の中がキモいので、そのカウンターとして声かけ迷惑行為を明日も敢行する。